[チームメイト紹介]
「『オラオラチーム』?」
達の『正義と仁義チーム』の初戦相手。
なんでオラオラなのかは全く持ってイミフメーだったが、彼女は後でこの理由を知る事になる。
「孫堅殿を大将とした、中々手強いチームです。チェックすべきは…まぁプレイしていれば分かる事ですので」
と趙雲が笑顔で説明してくれた。
あらかたの説明を終えると、今度はの背中を優しく撫でる。
といえば、先程の馬超の態度が相当気に入らなかったらしく、一人でムスっとしていた。
「。あまり気にする事は…」
「別に気にしてるワケじゃないよ。ただムカつくだけ」
「……………」
の言う理屈が分からなくもない趙雲。
気を使ったのだが、逆に彼女に黙らされた。
「シカトだよ?シカト!!何様だっつの!!」
「まぁまぁ……」
普段馬超を宥め慣れているせいか、笑顔を保ったまま趙雲は彼女の背を撫で続ける。
すると二人に向けて声がかかった。
「趙。どうしたのだ?」
「あぁ、黄殿でしたか」
割って来た人物は、典韋とはまた違った筋肉ムキムキな男。
顔を見るだけではどちらかというとTおじさん″という感じだ。
少し年代物を感じる筋肉と、外見で見る年齢の割には個性の光る髪型をしている。
「え…誰?」
初対面でおっさん誰?とも言うわけにもいかないので、とりあえず趙雲の袖を引いて説明を促す。
その行動を即座に理解して、趙雲は口を開いた。
「、この方は黄蓋殿です。この学園では……二番目の年長者の方ですよ」
「変わった紹介の仕方をしおるのぅ」
「え。そうですか?」
「気にする事はない」
に紹介する趙雲に、黄蓋本人から突っ込まれる。
「黄殿、こちらは。私の妹の様なものです」
その紹介に、が思わず笑顔になる。
「えへへ〜ありがと子龍兄!」
にこーーっと音がつきそうな程笑顔を振りまくに、黄蓋が笑った。
「ほぉ。可愛らしいな」
「ふふ…でしょう?」
趙雲もまんざらでもなさそうに笑う。
「よろしくお願いします、黄さん!!」
が手を出すと、黄蓋も力強く握手した。
「宜しく頼むぞ。それとわしの事はTとっつぁん″と呼べ」
「はいぃ?」
いきなりのTとっつぁん″宣言により、アホな声を上げる。
「Tお父さん″という意味ですよ」
「いや、意味は分かってるよ子龍兄」
くすくすと笑いながら説明をしてやる趙雲だが、説明する所が違う。
それにがすかさず突っ込むと、あぁと一人納得して再び説明を始めた。
「黄殿は皆の父親の様な存在ですので、Tとっつぁん″と呼んでいる人も少なくないのですよ」
「え、そうなの?」
「そういうわけだ。分かったな」
黄蓋に頭をよしよしされて、納得する。
「じゃあよろしくネ!とっつぁん☆」
アットホームな感触に嬉しそうに見上げるを、黄蓋は心から可愛いと感じた。
ふと趙雲が口元に手を当て、何か考え込む。
「あと一人チームのメンバーがいますが……」
「やつは紹介せんでも良いじゃろう」
黄蓋が否定する。
「あと一人?」
そのやり取りを見ていたは不思議そうに二人を見つめたが「なんでもないよ」「若者は気にするな」と言われたので沈黙した。
しばらくすると祝融先生がザワつく生徒を黙らせるべく、笛を吹いた。
「よっしゃ!とっとと始めるよ!!」
祝融の合図で各コートそれぞれ試合が始まった。
試合は6人対6人制なので、それ以上いるチームは交代しながらプレイする。
「よっしゃーやったるわー!」
も先程の馬超との喧嘩を忘れるべく、ノリノリでコートへと入った。
ちなみに開始時のポジションはセンター(馬超)ライト()レフト(黄蓋)Bセンター(袁紹)Bライト(趙雲)Bレフト(徐晃)である。
ピー!!
「俺が打つ。お前等は上げろ」
相手サーブで始まった瞬間、馬超がまた勝手な事を言い出した。
「またかよ…………」
センターを陣取って何を言うかと思えばと考えると、自然と溜め息が溢れる。
それを馬超が目敏く見つけた。
「、聞いているのか?」
「………………」
「!!」
「子龍兄、頑張ろうねー!」
馬超が話しかけるがは完璧にシカトし、更にそれを黙って横目で見ていた趙雲にが話しかける。
「凄い三角関係じゃな」
「そうでござるな」
それを見ていた黄蓋と徐晃が顔を合わせて苦笑した。