[興味]






達の今日の日程。

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一限目→社会

二限目→英語

三限目→道徳

四限目→理科

 昼休み

五限目→体育
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*結果発表*


報告1・「さぁ!美しく世論について話し合うのです!!」との壮絶な美的社論な1限目を終える。


報告2・「Two worlds in one million worlds put on balance.Either selection is urged. I chose this world. 」
と、その格好からは思いもよらない程流暢なクイーンズイングリッシュを披露してくれた先生の、ギャップだらけの2限目も終える。


報告3・「漢王朝の復興を〜」と、眠れる御高説に危うく閉じそうになる目蓋を必死にセロハンテープで開かせ、清水ア○ラも真っ青なテープ争奪戦を繰り広げた3限目も、なんとか無事に終える。


報告・4「わ〜い!これとこれ混ぜたらどうなるんだろ〜!」「しょ、小喬君それは………!!」と、その台詞の後理科室が半壊したという報告があったとかないとか、デンジャー過ぎる4限目も全員半死半生で終える。


昼休みは「食事に行きませんか?」「何を言ってる!?俺とに決まっているだろう!!」「なにぃ!?ざけた事言ってっとヤっちまうぞ?」「ふふ…燃えたいみたいですね?」と、あちこちで聞こえる鍔迫り合いの音や火矢を所々に放つ音………男達の激しい『俺と飯食おう』合戦が繰り広げられた以外は特に何事もなく、無事昼休憩を終える。


報告・5「よっしゃあ!今日はサッカーで熱く燃えて行くよ!!」とやはりアミダで決められたチームで試合をし、それぞれがそれぞれに「良い所見せてやる!」と足引っ掛けアリーの殴る蹴るなどの暴行も認められ、果ては檄・無双乱舞を超える大・無双乱舞大会で過去最高の負傷者を叩き出しつつも「今日は暑いぜ〜」との某伯符の爽やかな笑顔・台詞で幕を閉じた。






そして前フリを全て無視して、放課後。



趙雲やら典韋やら孫策やらは「部活に行って来る」と各々準備をして教室を出て行った。

はそれに「行ってらっしゃい!」と手を振り見送りを終えると、馬超が声をかけて来た。



。お前この後、暇か?」

「え?うん、ヒマだけど……?」

「そうか。なら付き合え」



そう言って彼はの腕を掴み、歩き出す。

は鞄を肩にかけながら、馬超の歩幅に合わせるように早足になった。



「ねぇ、どっか行くの?」

「どこへ行きたい?」

「そうだなぁ………皆誘ってカラオケでも行く?」

「………………誰を誘う気だ?」



がその言葉に考え込む仕草をすると、彼は彼女に合わせ立ち止まる。

彼女は「う〜ん」と唸っていたが、やがて馬超を見上げてニヤリと笑った。



「権とか小喬ちゃんとか………」

「却下」

「何で?」

「俺とお前の二人で良いだろう?」



「じゃあ聞くなよ」と口を尖らせたに、馬超が「一応聞いておいてやったんだ」と鼻を鳴らした。

馬超が再び歩き出し、もそれにならって歩く。

は腕を取られているので早足で歩こうと思ったが、彼はゆっくりと歩いてくれた。



「サンキュ馬ッチ」

「……何の事だ?」

「ゆっくり歩いてくれてサ!」

「……お前が遅いからだ」



変わらず鼻を鳴らす彼に『素直じゃないなぁ』と内心苦笑しつつ、は馬超に取られた手を握った。

彼はそれに一瞬目を見開いたが、すぐに同じく手を握り返した。

そのゴツゴツした男らしい手からは想像が付かない程、優しく。



「馬ッチって……」

「何だ?」

「……何でもない」

「中途半端な答えだな」



そう言って、『兄』と『妹』は仲良く繋がった手をぶらつかせて廊下を歩いて行った。










靴箱まで行くと、丁度声がかかった。



………とか言ったか?」

「?」



振り返ると、そこにはチョビ………曹操。

そしてその隣には、が常日頃から『ダンディ』と目を輝かせて熱視線を送っている夏侯惇。

は夏侯惇を目に入れるや否や、大きく目を見開いてハートマークを大量放出した。



「夏侯さ………!!」

「行くぞ、

「ぐえっ!?」



感激の余り飛びつきそうになったの襟首を、馬超がグイと引っ張った。

反射的に彼女の首は閉められ、ブッサイ声を上げてしまう。

素敵な夏侯惇の前でそんな声を上げてしまった為に、顔を真っ赤にしながら馬超を睨む。

だが、彼は曹操達を一睨みすると、の意見も聞かずに彼等に背を向けた。



「ちょっと馬ッチ!!」

「煩い。こいつらとは関わるなと言ったはずだぞ?」

「そりゃあんたの私見だろ!」



ガナるに、馬超はいつもとは違った……冷たい印象で言葉を返す。

それにが驚き目を見張る。

すると、夏侯惇が口を開いた。



「孟徳、もう良いだろう?」

「ふん、何を言うか元譲。わしはただに声をかけただけだぞ?」

「いい加減諦めろ。喬姉妹はどうした……」

「わしはこの女にも興味がある」



ツーカーで喋る二人に、馬超が振り返り冷たい視線を送る。

その普段とは余りにも懸け離れた印象に、の背筋が凍り付いた。

ピキッと身体を固まらせ、眉は怯えるように寄せられて。

それを丁度良く見ていた曹操が言った。



「馬よ、その娘が怯えているぞ?」

「……貴様には関係ない」

「そうカッカするな。その顔を見て怯えていると言うとるのだ。のぅよ……」

「気安く触るな」



の肩にかけようとした曹操の手を、馬超がバシッと良い音をさせて振り払う。

曹操はそれに顔を顰め、それを傍観していた夏侯惇が口元に手を当ててクッと笑う。

馬超が夏侯惇を睨み付けた。



「……何が可笑しい?」

「いや…………」

「なら笑うな」



そう言ってを背後に隠した彼に、ふいに夏侯惇は言った。



「余程……その女が大事なのだな?」

「…………………」

「それが珍しいと思っただけだ。他意はない」



その言葉に、今度は馬超が固まる。

曹操とは同じレベルでも、夏侯惇が相手となると適わない。

相手は曹操とは違い、中々の大人の意見。

そして、適格に急所を突いて来る。



馬超は苦々しく顔を顰め、チッと舌打ちした。

すると先程からずっと固まり続けていたが、ふと何か思い付いたように緊張を解いた。

そして馬超に言う。



「馬ッチ」

「ん?何だ?」

「恐い」

「……………………」



途端に黙り込んだ彼に、曹操と夏侯惇は目を丸くした。

そして『珍しい事もあるもんだ』と心中で考えた。



が馬超を呼んだ時、彼はそれまで出していた殺気を取り払って彼女に向いた。

彼女はそれにホッと安堵した様子だった。

馬超自身、先程曹操に「がお前の殺気で固まっている」と遠回しに言われて考えたのだろう。



だがしかし。



にっくき曹操の意見を取り入れてまで馬超がの為にそうする、という事が彼等は珍しくてしょうがなかった。

ふと、が繁々と自分達を眺めて来る曹操達に目をやった。