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珍・学園無双〜外伝〜


〜似たもの同士・3〜






月英に拉致されて暫く。

は諸葛亮・月英カポーとデート相手(月英視点)の司馬懿と共に、四人仲良く渋谷のど真ん中を歩いていた。



「月英さん……」

「如何いたしました?」



が萎え切った様子で月英を呼ぶと、呼ばれた本人はハキハキとした物言いで振り返った。



「腕………痛いです」

「え?………あら!これは失礼致しました」



と、月英が掴んでいた手を解く。

先程、半強制的に月英に拉致られたは、先程から彼女に腕を捕まれっ放しだったので、ある意味引きずられる様にして歩いていたのだ。



「ふぅ…ありがとうございます」

「いえ……私の方こそ、申し訳ありません」



腕を放してもらったは、掴まれていた手とは反対の手で、手を擦る。

そして、の腕が少し赤くなっているのに気付いた月英が、胸に手を当て申し訳なさそうに目を伏せた。



「大丈夫ですよ。気にしないで下さいね〜」

「ですが……」

「あぁ!あたし腕とか掴まれると、すぐに赤くなっちゃう方なんで……」

さん……」



とすれば『すぐに赤くなる』というのは本当の事だったのだが、月英は余程自責の念に捕われていたらしい。

胸に当てていた手をホッとする様に、撫で下ろした。



「月英は可愛いですね………」



その声に反応してが後ろを振り返ると、いつの間にか追い付いたのか、一部始終を見ていたらしい諸葛亮が、クスリと笑っていた。

ふと、諸葛亮はに目を移し、更に優しく微笑む。



殿。月英は嬉しい事があると、すぐにはしゃいでしまう癖があるので、どうか許してやって下さい」

「孔明様………」

「あ、本当に大丈夫ですから。諸葛さんも気にしないで下さい!」



諸葛亮ににこやかに言えば、も『本当に全然気にしていない』とばかりに慌ててブンブン首を振った。

そこへ一足遅くやって来たアノ御方。



「おい諸葛亮!この私を置いて先に行くとは何事だ!!」



司馬懿、字は仲達の御登場だ。



「おや、司馬殿。遅かったですね?」

「貴様っ………」



と諸葛亮が素知らぬ涼しい顔で口元を手で隠しながら目を遣れば、司馬懿は司馬懿でその表情が気に入らないのか、額に青筋を浮かび上がらせる。



「やっぱり相当仲悪いんですね?」

「えぇ。でも私からすれば、似た者同士だと思いますよ?」



が月英にコソッと耳打ちをすると、彼女はいつもの事だとばかりに苦笑した。



「似た者同士………ですか?」

さんは、そうは思いませんか?」

「ん〜。頭が良さそうな所とかですかね?」

「そういう事ではなくて……ふふっ」

「喧嘩する程ってやつですか?」

「ふふ…そんな所です」



女性陣がこんな会話をしている間も、男性陣二人(主に司馬懿のみ)はバチバチと火花を散らしていた。


「諸葛亮!!この私と勝負しろ!!!」

「ふふふ、司馬殿。知で私と張り合うおつもりですか?」

「何を言う!?貴様こそ、知略でこの私に勝てるとでも思うたか!!」



ここで諸葛亮がフッと息を吐き出す様に、一つ笑った。



「ぬぁあぁにが可笑しい!?」

「ふっ、失礼。知略と言うのは……こういう事でしょうか?」



と、ここで諸葛亮は口元に当てていた手を放した。

そして、両の手を司馬懿の前に、掌を見せる様に差し出す。

司馬懿からすると諸葛亮のこの意味不明な行動が理解出来なかったが、すぐにその理由を知る事になる。



諸葛亮は両手共に指をピーンと張り、「良いですか?これは何本でしょう?」と聞いた。



「10であろう!馬鹿にするでないぞ!?」



司馬懿の返事に『良く出来ました』とばかりに笑顔を作り、次に諸葛亮は片手を引っ込めた。



「では司馬殿。これは何本ですか?」

「………?5本であろう!一体何なのだ、先程から………」



とここで司馬懿はある?出来事″を思い出した。

頭の良い司馬懿は、それだけの行動で、諸葛亮が何を言いたかったのかが分かったらしい。

それと分かると、司馬懿は体全体でプルプルと震えだし、その怒りは怒髪天を突いた。



「諸葛亮っ……貴様ぁ!!」



そう。

諸葛亮が司馬懿に伝えたかったのは15と言う数字。

『15』という数字の中に込められているのは…………。



「ふふふ……15点……でしたね。確か」

「あぁ!そういう事だったんだ!」



15点という言葉でも思い出したらしく、パンッと手を叩いた。



「そうだよね〜。確かに15点だったよ〜!」

殿も覚えていらっしゃいましたか」

「何なのですか?」



と諸葛亮が互いにクスッと笑っていると、『分からない』と月英が訝しげな顔をする。



「あ、月英さんは転入生だから知らないんだよね」

「では私が教えて差し上げましょう」



は相変わらずクスクスと笑っていたのに対し、諸葛亮は月英にその?出来事″を耳打ちした。



「まぁ!その様な事があったのですね……」

「クッ……………………」



一通りの荒筋(本編15話・権ちゃんの秘密 参照)を聞いた月英は、驚きながらも司馬懿を哀れそうに見つめ、その視線に同情の念を感じ取ったのか、司馬懿は悔しげに俯いた。

この軍師対決・第一回戦は、諸葛亮に軍配が上がった。